青色申告は本当にお得?こんなに違う!納税額を比較してみた

「毎年白色申告をしている」というかたに、ぜひ知っていただきたい!
今回は青色申告と白色申告の違いをご説明します。

青色申告と白色申告の違いを見ていきましょう

白色申告
・帳簿つけの義務がある
・確定申告では、
 簡便な「収支内訳書」をつければよい
・認められる必要経費の範囲が狭い
・申請は不要

青色申告
・原則正規の簿記による帳簿つけが必要
・確定申告時に決算書の作成が必要
・青色申告でのお得なポイントがある
・申請が必要

青色申告 メリットとは?

①最大65万円の特別控除を受けることができる。

青色申告特別控除には65万円控除(複式簿記+e-taxまたは電子帳簿保存)
55万円控除(複式簿記のみ)
10万円控除(簡易簿記)があります。
帳簿を単式簿記(お小遣い帳のイメージ)を複式簿記(複数の科目で記帳)に変えるだけで控除額があがります。

例:7月25日に商品15,000円を売り上げて、現金でもらった場合
単式簿記   7月25日 収入 売上 15,000
複式簿記   7月25日 借方/現金 15,000 貸方/売上 15,000

②家族への給与を必要経費にできる
「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することで、給与全額を必要経費にすることができます。

青色事業従事者には5つの条件があります。
1.生計を一にする配偶者や親族であること。
2.その年の6か月を超える期間、事業に従事していること。
3.給与の額が、仕事内容に対して多すぎないこと。
4.15歳以上であること(その年の12月31日現在で)。
5.青色事業専従者給与に関する届出書を提出していること。
※家族を青色事業従事者にすると扶養控除や配偶者控除等の対象からはずれるので注意をしましょう。

③赤字を繰り越すことができる。
赤字を翌年以降最長3年にわたり、それぞれの年の所得から差し引ける「純損失の繰越控除」があります。

例えば、今年300万円の赤字がでた場合
今年 300万円の赤字 所得はー300万円 所得税は0円
翌年 100万円の黒字 所得はー200万円 所得税は0円
2年目100万円の黒字 所得はー100万円 所得税は0円
3年目100万円の黒字 所得は0円     所得税は0円
赤字額が0円になるまで、翌年以降の黒字と相殺できる(最長3年)結果、所得税がかからない。

④30万円未満の備品を一度に経費に計上できます。
パソコンなど長期的に使用する備品を購入した場合、通常10万円以上するものは「固定資産」として、法律で決められた年数に分割して必要経費にしなければならない。
青色申告なら、対象金額が30万円以上となるため、一度に必要経費として扱うことができます。
※合計で300万円まで。令和4年3月31日までの特例。

⑤貸し倒れに備えることができる。
売掛金の未回収代金残高のうち5.5%(金融業は3.3%)の額を「貸倒引当金」として事前に必要経費とすることができます。
この内容はとても複雑なので、もし検討される場合は税理士さんへのご相談をおススメします。

青色申告 デメリットも知っておこう

①事前に税務署に申請を出す必要がある
申請書を青色申告をする年の通常3月15日までに提出する。
新規開業した場合は、開業して2ケ月以内に提出する。
※申請書を一度提出すれば、毎年申請する必要はありません。

②決算、帳簿書類が多い。

10万円控除必要書類(簡易簿記)      
・青色申告決算書(一般用)
・確定申告書B
・添付書類
・現金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・固定資産台帳 など

55万円・65万円控除必要書類(複式簿記)
・青色申告決算書(一般用)
・確定申告書B
・添付書類
・総勘定元帳
・仕訳帳
以下は必要な場合
・現金出納帳
・預金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・固定資産台帳
・給与台帳 など

③複式簿記による記帳が必要。(55万円・65万円控除の場合)

例:7月25日に商品15,000円を売り上げて、現金でもらった場合
単式簿記   7月25日 収入 売上 15,000
複式簿記   7月25日 借方/現金 15,000 貸方/売上 15,000

帳簿をつけることで、事業の状態を正確に把握することができるので、一概にデメリットとは言えないかもしれませんね。

個人事業主で売上300万円の方を
控除額別で所得納税額を比較してみました

必要経費と他の控除(基礎控除・配偶者控除・医療費控除・生命保険控除など)を引いた後の所得が300万円だった場合

65万円控除
(複式簿記+e-taxまたは電子帳簿保存)

300万円−65万円=235万円
235万円×10%(税率)=235,000円

235,000円ー97,500円(控除額)=137,500円(所得納税額)

納税額は
137,500円

55万円控除
(複式簿記のみ)

300万円ー55万円=245万円
245万円×10%(税率)=245,000円

245,000円ー97,500円(控除額)=147,500円(所得税納税額)

納税額は
147,500円

10万円控除
(単式簿記の場合)

300万円ー10万円=290万円
290万円×10%(税率)=290,000円

290,000円ー97,500円(控除額)=192,500円(所得税納税額)

納税額は
192,500円

白色申告の場合
300万円のままなので
300万円×10%(税率)=300,000円

300,000円ー97,50(控除額)=202,500円(所得納税額)

納税額は
202,500円

所得納税額を比較してみると・・・。
同じ300万円の課税所得ですが、

最大!!
65,000円の節税になります。
住民税も少なくなります。

※注意:別途復興特別所得税が2037年まで納付義務があります。

所得税の税率は国税庁ホームページを参照してください↓
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

まとめ

いかがでしたか?
青色申告は節税のメリットがとても多いことがわかりました。
しかしその一方、帳簿管理など少し複雑な部分があります。経費の領収書管理や正しい帳簿をつけることで、事業の状態が明確になり今後の経営や営業活動に役立ち、売上アップにも繋がるのではないでしょうか?

青色申告がお得なのは分かるけど、帳簿の付け方もわからないし、時間もない!という方は、是非ご相談ください(^O^)/
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帳簿管理や領収書の整理はとても時間がかかります。
自分に合った業務管理を探して、賢く節税をして下さい(*^^*)